六歌仙「黒主」

  • 2015.08.30 Sunday
  • 22:30
土曜日の楽団練習に合わせ、東京から光舜堂の西野さんがお越しくださいました。

修理が終わったばかりの、かの林石城が所有していたという琵琶の名品と共に担いで来られたのは、新作にして現時点での最高傑作という二胡、「六歌仙」の一「黒主」。

借り受けることになりました。

CDMと名付けられた人工皮、カーボンを擦ったという真っ黒な皮が張られています。
人工皮がここまで来たか、という柔らかい音色。和紙を重ねた透し模様は、工芸品ばりに美しい仕上がりです。



1864年の木材が使われているということで、世界にまたとない貴重な二胡、扱うにもこれまでに感じたことのない緊張感が伴います。

本来、二胡の類というのは高尚な楽器ではなく、その辺に転がっているものを組み合わせて作るような、庶民の楽器でした。
中央放送楽団のコンミスにして国家一級演奏家の姜克美先生ですら、子どもの頃はお父さんが手作りした楽器で練習していたとか。

現在でも、楽器は数年で弾き潰すと豪語する演奏家もいるように、半ば使い捨ての感覚すらあるかもしれません。

そんな二胡の世界に西野さんが、「メンテナンス」という概念を持ち込んだ。さらに今回は、「演奏家より長く生きる二胡」を生み出しました。
この六歌仙の名を冠する6把の二胡は、それぞれの楽器と波長の合う演奏者に貸与され、その手を離れるとまた次の演奏家に引き継がれることになります。

これは二胡のあり方を変えてしまうような考え方かもしれません。時代を超えるかもしれない楽器を手にすることで、少なくとも奏者の意識は確実に変わる。

西野さんが作る楽器や駒、弓はすごいですが、単に製品が優れているというより、その根本にある、常識を塗り替える思考の力がすごい。数年前、日本二胡界に突如現れた西野さんが、回転する火の玉のように猛烈な勢いで成し遂げてきたことは、すべて既存の枠組みを超える行いだったと思います。天の才とはこういうことかと、お会いするたびにそれを目の当たりにする喜びを感じます。

さて、この黒主。土曜日に初めて弾かせていただいた時は、遠鳴りがするとは言われても、至近距離で弾いている本人にはそのパワーは今ひとつ分からなかったのですが、昨日、今日と弾き込んでみると、いきなり音が変わった。こんなに変わっていいんでしょうか、というくらい。これまで私が手にした蛇皮二胡にはないことで、かなり面白い。どこまで変わるか、製作者ご本人を驚かすべく弾き込んでみましょう。
( ̄+ー ̄)フフフ

全体像。黒い。



お気に入りポイントは、俊敏な動物の蹄を思わせる、スラリと緊張感のあるヘッド部分。


数年ぶりに皮がむけてしまって絆創膏。


コメント
「黒主」
先日は何気に手に取り、音出しをさせていただき、
後で震えました(笑)
先生の手にされる一本の二胡の美しさに
先ずは目をみはりましたm(__)m
教室の先生から私との距離では、
いつもですと、
どの胡でも、先生の音色ですが、
「黒主」は違いましたね。ただただ、柔らかい。
そして、胡の主張が凄い!!
今もあの音が残っています。
ヴァイオリンでいうところの、かの名器のような
主張する胡の登場に驚きました!!
この胡を先生に!!とおっしゃる西野さん
あらためて凄いと感じたしだいですm(__)m


  • gotou
  • 2015/09/02 8:04 AM
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